2023年、ワールド・マネー・フェアが華々しく復活~記念すべき第50回目の開催~

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本記事は、弊社のパートナー企業の泰星コイン株式会社の雑誌『泰星マンスリー』の2023年4月号に掲載されたものであり、弊社の英語版ホームページ『CoinsWeekly』の記事に基づいています。英語の記事はこちらからお読みいただけます。日本語版記事の掲載の許可を賜りましたこと、泰星コイン株式会社に厚くお礼を申し上げます。

 

2020年の春以来となるベルリンのワールド・マネー・フェアが、今年2月上旬に開催されました。昨年夏に開かれたようなオンラインイベントでも、業者向けの小さなイベントでもありません。ワールド・マネー・フェアは、かつての輝きを取り戻したのです。正直、私たちは今回のフェアが開催されるかどうか疑っていました。コロナ禍におけるこの2年間で、オンラインでどれだけのことができるのか、また、オンラインという手段がない場合はどうすればよいのかを皆が学んだからです。結局のところ、コインフェアはなくては困るというものではありません。コインの取引はフェアがなくても十分できますし、今年の場合、ブースの費用を負担してくれるだけの出展者が集まるのか、フェアを開催するにふさわしいだけの人がかつてのように集まるのか、という疑念もありました。ところが、フロリダ、ニューヨークに続き、特に今回のベルリンは、コインショーの必要性という以上に、皆が開催を待ち望んでいたのだということを証明してくれました。この第50回ワールド・マネー・フェアには、コロナ禍前を上回る人数が集まっていたかもしれません。ベルリンでは出展者も来場者も、この開催を本当に心待ちにしていたのだということを確かに実感することができました。

 

ワールド・マネー・フェアが他のコインショーと異なるのは、造幣局やエンジニアリング会社が数多く出展しているところです。別会場では、現代のコイン鋳造に欠かすことのできない大型ハイテク機器も見ることができます。(コレクター必見の、とても魅力的な展示ですよ!)一方、フェアの中心を占めているのは各国の造幣局で、それぞれの広いブースは、コレクターに人気のスポットです。多くの造幣局が、限定コインセットなど魅力的な商品を販売しており、たちまちにして売り切れということも目にしました。特に人気があったのは、今年初め、最も新しい加盟国としてユーロ圏に仲間入りしたクロアチア造幣局のブースです。クロアチアの最初のユーロ貨やコインセットが販売されていました。

 

メディアフォーラムと技術フォーラムでは、例年通り、造幣局やメーカーから、新製品、新しい技術や機器などの発表がありました。しかし、フェア恒例のイベントといえるコイン・オブ・ザ・イヤーの授賞式が、今年は実施されませんでした。また、主賓が主催する盛大なガラディナーも行われませんでした―そもそも今年は「主賓」という存在がいなかったのです。

 

個人経営の事業者から大手オークションハウスに至るまで、各ディーラーたちも、今年のフェアにおけるビジネスに大いに満足しているようでした。会場では、たくさんの笑顔や完売したブースをいくつも見かけました。特に金貨の売れ行きには目を見張るものがあります。フェア開幕前日に開かれた、伝統あるキュンカーのベルリン・オークション・セールでは、数々の見どころがありました。出品の推定価格約600万ユーロに対し、総額1000万ユーロの成果があったそうです。

 

もちろん、ディーラー・ブースの賑わいが、このフェアの醍醐味であることは間違いありません。一方で、それと並行してエストレル・ホテルのいくつもの会議室では、造幣局が新しい機器を購入し、卸売業者が在庫を買い付けるなど、様々なビッグビジネスが展開されていました。大手企業が複数の部屋で同時に取引を成立させたという話も聞きました。このように、卸売業者、機器メーカー、オークションハウスのみならず、小規模なディーラー、コレクターに至るまで、多くのターゲットが集まる場として機能しているという事実が、ワールド・マネー・フェア最も印象的な特徴だと言えるでしょう。

全体的に見て、世界各国から数多くの来場者があり、大きな問題も起こることなく、素晴らしい雰囲気の中で開催された見本市であったと思います。2023年4月28日から30日まで開催される「東京国際コイン・コンヴェンション」も、このような雰囲気で開催されることを期待します。私たち『月間コイン(コインズ・ウィークリー)』も、もちろんブースを設営する予定です!

そうそう、フェアの終わり近くなってから、ちょっとした騒ぎがありました。ベルリンの新聞が報じたところによると、ある名の知れた一族の数人がフェアで目撃され、会場の下見をしていた可能性があると、警察から発表があったそうです。ベルリンと“例の一族”—盗まれた巨大金貨のことを思い出さずにはいられません!幸い、事件は起こらなかったようです。

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