2022年6月8日、日本のコインディーラーでありオークションハウスである泰星コイン株式会社に新たな代表取締役社長が就任しました。馬場晋作氏が、長年にわたり代表取締役社長を務めてきた岡政博氏の後任となりました。
岡政博氏は、1967年に父親が創業した会社の経営から退き、今後新たな代表取締役会長として同社を見守る運びとなりました。これについて岡氏は次のように述べています。「新しい役割の一環として、この度就任した社長への助言と支援を行い、引き続き会社の経営の一翼を担ってまいります。また、馬場さんの泰星コインを指揮する能力を確信しています。関係者の皆様やお客様が、私が社長に就任した時と同じように馬場さんを温かく迎えてくださることを望んでいます。」馬場晋作氏は、岡氏が国際的なコイン取引に残した偉大な功績を認識しており、今後、泰星コインを未来へ導いていくというチャレンジを楽しみにしていると語っています。
馬場晋作氏の略歴と目標
新代表取締役社長の馬場氏は、泰星コインを熟知しています。新卒で前身の泰星スタンプ・コインに入社した後、他の企業での勤務を経て多くの分野の経験を積み、2003年に再度泰星コインに入社しました。泰星コインでは長年にわたり、現代コインの取引及び世界各国の造幣局や中央銀行との協力関係を担ってきました。
馬場氏は就任のあいさつで、コインが持つ歴史的なメッセージをお客様に伝えるという素晴らしい仕事を楽しみにしていることを強調しました。また、コインの収集を定着させるという役割を泰星コインが果たしてきた、そして今も果たし続けていることを大変嬉しく思い、各々のコインが持っている歴史との深い繋がりに喜びを感じていると語りました。
一方で、馬場氏は現代の課題も意識しています。就任の際に従業員に対して優先事項を説明する挨拶の中で、常に学び、多種多様なことに取り組むことに焦点を置きました。また、企業の理念である「コイン収集を通じて豊かな社会づくりに貢献する」という目的を忘れないように、仕事の内容を始終問いただすことが重要だと述べました。
泰星コインの沿革
1967年、株式会社泰星スタンプ・コインは、古代及び現代の切手とコインの販売専門企業として設立されました。海外の諸国と同様に1970年代の日本では、高いインフレ率の影響から有形資産への投資が活発化し、コイン収集が盛んになりました。泰星コインは、日本の顧客のニーズへの対応を通じて日本の最も重要なコイン販売店へと成長を成し遂げました。
泰星スタンプ・コインは、コインや切手の販売のみならず、関連知識の大衆化を重要視してきました。その一環として1971年には、現在も顧客に送付されているコインの詳細を紹介している雑誌「泰星マンスリー」の創刊号が刊行されました。1977年には初めてのオークションを開催したほか、1982年には日本でも人気の高い中国人民銀行のパンダ金貨の公式販売代理店となりました。
1994年には、コイン事業の拡大のために泰星スタンプ・コイン改め泰星コイン株式会社が新設されました。現在、泰星コインは日本において最も重要な海外コインの販売代理店になっています。東日本大震災が発生した2011年、泰星コインは23年以上ぶりにフロア・オークションを開催し、大成功を収めました。それ以来、泰星コインのオークションで数多くの記録が更新されることとなりました。直近では、東京国際コイン・コンヴェンションの関連で英国王立造幣局と協力し、共同オークションを催しました。
こちらから泰星コインのウェブサイトにアクセスいただけます。
こちらで新代表取締役社長の馬場晋作氏のご挨拶をご覧いただけます。
東京にお越しの予定のある方は、泰星コインの住所及び写真をこちらからご確認いただけます。
2020年、泰星コインは「ウナとライオン」コインでオークション落札価格の世界記録を更新しました。こちらから弊社の記事がお読みになれます。
泰星コインと英国王立造幣局の共同オークションに関する記事も、こちらからお読みになれます。
2021年4月、泰星コインは香港のスタックス・バワーズ(Stack’s Bowers)のオークション「ザ・ピナクル・コレクション(The Pinnacle Collection)」において、歴史的に重要な試鋳貨のセットを160万ドルで落札しました。1870年に英国で日本のために鋳造された試鋳貨のセットは、完全なセットが2つしか存在しないとされており、本品は博物館に所蔵されていない唯一のセットです。もう1つのセットは、英国王立造幣局博物館で展示されています。ロットの情報はスタックス・バワーズのウェブサイトでご覧いただけます。