明治時代の希少な日本の試鋳貨、高値で落札

日本 明治3年 十円硬貨の金製試鋳貨 幅広い硬貨地板 極美品 落札価格:260,000ポンド 写真提供:Toovey’s Antique and Fine Art Auctioneers & Valuers
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イギリスのオークション会社Toovey’s Antique and Fine Art Auctioneers & Valuersは2022年1月19日、極めて希少なコインを売却しました。その金製のコインは、明治3年(1870年)に鋳造された十円硬貨の試鋳貨です。

この試鋳貨のデザインは、明治4年(1871年)に流通した十円硬貨の最終的なデザインと同様です。主な違いは、サイズです。試鋳貨が32mmである一方、最終的な十円硬貨は29.41mmしかありませんでした。直径が短くなり、厚さが増したことで試鋳貨より壊れにくくなったと考えられています。ディーラーによると、こちらの試鋳貨は5枚しか存在しないそうです。オークション会社が得た落札価格(オークション手数料を除いて260,000ポンド)を日本円に換算すると、おおよそ4055万円になります。これは、このような部類のコインに支払われた金額としては、最も高い価格帯に属します。

 

1900年頃のコインの小袋と添え状 「中国のコイン」と誤記 写真提供:Toovey’s Antique and Fine Art Auctioneers & Valuers

元の所有者

市場に新しく登場したこの希少品の由来は、オークション会社によるとジョージ・ヘンリー・ウィリアムソン(George Henry Williamson)氏に帰することができます。ウィリアムソン氏は1845年から1918年まで生き、ウスター市長を務めました。当試鋳貨は父親(1878年死去)からの遺品として手に入れたと考えられていますが、その重要性に気付かなかったのでしょう。そのため、他の貴重品とともにウスターのロイズ銀行(Lloyds Bank)に預けられました。当時の小袋と、当試鋳貨を「中国のコイン」と誤記した添え状も保存されています。そのためコインは、鋳造されてから僅か数年後にイギリスに渡ったと考えられます。

 

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