今月のコラムは、CDNが2回目の参加となるワールド・マネー・フェア(World Money Fair、ワールズ・フェア・オフ・マネー(World’s Fair of Money®)と間違えやすいので要注意!)が開催されているドイツのベルリンから書いております。
WMFは、多くのディーラーやコレクターが米国で慣れ親しんでいるものとは全く異なるショーです。ベルリンのショーの主な焦点は、様々な国営造幣局や民間造幣局と、それらが貨幣市場に提供する新製品にあります。これらの機関が毎年生産する様々なコインやその他の貨幣商品を見ることは、本当に驚くことばかりです。以前から見てきたように、これらの作品を作るために適用される創造性と技術は、見事で最先端です。伝統的な「コイン」と呼ばれるものの限界を超えるような作品もありますが、コレクターがこのような商品を求めていることは間違いないでしょう。そこで、もうひとつ興味深いことがあります。これらの造幣局は、買い手がいなければ、わざわざこれらのコインを製造し、販売することはないでしょう。
私たちは、老若男女を問わず、多くのコレクターが現代コインをコレクションに加えようとしているのを目撃しました。このことは、古典的な、あるいは伝統的なコレクターやディーラーからすれば、不愉快に思われるかもしれません。しかし、現代コインや地金コインの収集から始めた多くの人が、クラシックコインやビンテージコインに移行することは、何度も証明されていますし、これからもそうであると確信しています。
世界の貨幣市場は、あらゆるタイプのコレクターを包含するのに十分な大きさであり、実際、そうでなければならないのです。なぜなら、拡大する市場を支えるには、どのジャンルのコインも十分な供給量を確保できないからです。また、展示したグレイシートやCPG®マーケットレビューのサンプルを見て、アメリカ合衆国のコインに興味を持たれた方も多く、予想外の発見がありました。
私は、ヨーロッパのコレクターやディーラーは少し偏狭だと感じていましたが、インターネット上で利用できるリソースが増え続けているおかげで、明らかに市場はよりグローバルになり、より多くの情報を得られるようになっています。これは、アメリカ以外の国で第三者機関によるグレーディングの影響力が拡大し、受け入れられていることとも直接関係しています。鑑定は40年近く前から行われていますが、過去10年までは、ヨーロッパのディーラーで鑑定されたコインを在庫として持っているところはほとんどありませんでした。現在では、NGCやPCGSでグレーディングされたコインが入った多くのディーラーケースを見るのが一般的になってきました。
最後に、もし、ベルリンのヴィリー・ブラント空港を利用することがあれば、到着ロビーにある地面を見てみてください!タイルの一部には、世界中の何百、何千ものコインが埋め込まれています。貨幣が文化をつなぐものであることがよくわかりますね。
当コラムは元々CDN Publishingの「Monthly Greysheet」のものですが、こちらで初めて日本語で公刊されます。英語の原文はGreysheetのホームベージからお読みいただけます。
CDNの主力商品である「Monthly Greysheet」の定期購読には、以前のGreysheetの刊行物、Bluesheet及びGoldsheetニュースレターにすでにあった価格表示を含めて、米国のほぼ全てのコイン及び現代中国の発行物の市場価格表示を132ページに収録しているフルカラー雑誌が付属されています。
Coin Dealer NewsletterはGreysheetコイン値付けを1963年以降定期的に刊行しています。Monthly Greysheetの各巻は収集可能な米国のコインの最近の卸売市場についての情報が満載で、世界中のディーラー、投資家、及び熱心な収集家にとって必要不可欠な雑誌とみなされています。
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