Greysheet提供:市場の動き(2022年12月)

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今年最後のマンスリー・グレイシート号へようこそ。まず最初に、弊社のコイン値付けが希少コイン市場で再度最も利用・参照される出版物となったことを、購読者とディーラーの会員の皆様に感謝申し上げます。私たちは、このデータを業界に提供する責任を非常に重く受け止めており、常に改善に努めています。今後とも発展し続けるにあたり、2023年には、エキサイティングな改良を発表する予定です。

2021年と同様に、今年も米国コインの全体的な価格記録が数多く樹立され、鋳造年やグレード別の記録も数多く更新されました。しかし、2021年のブラッシャー・ダブルーンや1933年セント・ゴーデンズのように、個々のコインで極端な超大型価格が実現したわけではありません。11月中旬に本記事を書いている時点で、今年のオークションでの最高値は462万ドルに「だけ」達しています。それは、9月のハリー・W・バス・ジュニア・コレクションの1821プルーフ・ハーフイーグル貨でした。

当然ながら、これまでのところ、実現した価格の上位5枚のコインはクラシックゴールドで、希少コイン市場や世界市場の状況に関係なく高水準の需要を保持できているようです。銀貨で100万ドルの大台を突破したのは、これまでフォックスファイヤーシンプソン1796ドレープド・バスト・クォーター貨の1枚のみです。銅貨は、ドルの7桁の大台に乗ったのは2枚だけです(その中1枚は試鋳貨)。今年落札された画期的なハーフセント貨のマクギガンコレクションを考えると、これはいささか意外なことです。初期の銅貨が高騰していた時は、このコレクションから数枚のコインが100万ドル以上で売れると考えるのは妥当だったでしょう。もちろん、これはコインの希少価値が低いということではなく、人気や嗜好が時代とともにいかに変化するかを示しているに過ぎません。

グラウンドレベルでは、調査をすれば、2022年はビジネスにとって不運な年だったと報告するディーラーは極めて少ないです。今年最初の4ヶ月間、コインは小売・卸売の両レベルで活発な動きを続けました。オークションでは価格が堅調に推移し、ほとんどの主要取引所では、特にショーの前取引が活発に行われました。夏の終わりから9月初旬にかけて価格は徐々に修正され始めましたが、価格と期待を調整したディーラーは、引き続き堅調なビジネスを展開することができました。10月最終週に開催されたボルチモアショーでは、終始賑わいを見せたとの報告が複数ありました。市場の調整という点では、予想通りであり、必要なことでした。繰り返しになりますが、過去24〜28ヶ月間、希少コインは高騰し、正常に機能している市場であれば、このような横ばいは予想されているはずです。

私は「正常に機能している」という言葉を、外部からの介入や操作がほとんどない市場という意味で使っていますが、これは過去10数年のほとんどにわたり世界の債券・株式市場の状況とは正反対です。昨年とは異なり、2023年に向けては若干の不透明感があり、ほとんどの主要ディーラーは期待を抑えているように感じます。しかし、希少コインの売買は、単価は若干下がるものの、過去2年間と同様のボリュームで継続されることは間違いないように思われます。結局のところ、これがコレクター主導の市場の大きな利点です。すなわち、有害な投機を防ぎ、買い手の活力を確保することができるということなのです。

 

当コラムは元々CDN Publishingの「Monthly Greysheet」のものですが、こちらで初めて日本語で公刊されます。英語の原文はGreysheetのホームベージからお読みいただけます

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