2021年には、何世紀にもわたり地下・水面下・あるいは隠れた場所で眠っていたコインの宝物が数多く発見されました。それらは我々に貴重な知識を与え、その発見者には富をもたらしました。本記事では、昨年の最も華々しい発見をご紹介いたします。
バイエルンの最も大きい銀貨財宝の発見
南ドイツのバイエルンにおいて、現在に至るまで史上最大規模の古代ローマ銀貨の財宝が考古学者らによって発見されました。その財宝は、1世紀と2世紀に鋳造された5,600枚弱のデナリウス銀貨から成り、ローマ人によって建設された町アウクスブルクにおいて発見されました。その価値は、古代ローマ軍団兵の11から15の年棒に相当します。
フランスにある屋敷に隠れていた金貨の財宝
2019年に3人の職人がプロゼヴェ（ブルターニュ地域圏）にある農園の修復を行っていた際、予期せぬ宝物を発見しました。外壁に17世紀の金貨が239枚隠されていたのです。それらは、フランス国王ルイ13世とルイ14世の摂政期間中に鋳造されたものです。2021年9月にオークションに出され、100万ユーロという収益金を得ました。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
スペインのコスタ・ブランカに沈潜していた金貨の宝物
2021年8月に二人のダイバーがスペインの地中海海岸でダイビングした際に、ローマの金貨を発見しました。その二人のダイバーから通知を受けた水中考古学者はのちに、その種類のコインにおいて最も重要な発掘の一つとなった古代末期の金貨の宝物を発掘しました。現在でも未だ終わっていない調査で、364年から408年の間に鋳造されたソリドゥス金貨が53枚発見されています。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
オーバーエスターライヒ州で6,000枚の銀貨が発見
オーバーエスターライヒ州、オーストリアとチェコの国境の近くで、2021年2月半ばに建設工事の過程で宝物が発見されました。農家の家屋の土台という隠し場所の巧みのため、銀貨は5世紀にもわたり発見されずに眠っていました。発見されたのは、ミラノ、プラハ、チロル等で鋳造された15世紀後半の6,000枚の銀貨です。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
アングロサクソン時代のイギリスの金
1400年前の131枚の金貨と4つの金製の物の発見は、アングロサクソン族時代のイギリスにおいて現在まで最も大きい発見です。600年に埋められた西ノーフォーク金貨財宝は131の金貨から成っています。イーストアングリアにおいて当時はコインがまだ鋳造されていなかったので、そのほとんどはフランク族によって作られたトレミシス硬貨なのです。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
デンマークでの比類のない金財宝の発見
デンマークの史上最大且つ最も重要な金の財宝が発見されました。ヴィンデレフで、約1500年地下に眠っていたロケットや装飾品に改造された金貨等を含む金製の物がおおよそ１キロ発見されたのです。当財宝の構成や使用された技術には、未だ類比のものがありません。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
ジャムの瓶の中の宝物
スイスとの国境の近くにあるフランスの小さな町モレにある家の最後の居住者が亡くなったのち、そのがらくたが片づけられることになりました。それに携わっていた役人はその際、最後の居住者もその存在について何も知らなかった、金貨の詰められた複数の瓶を発見しました。結果として約1,500枚の19世紀と20世紀初めのフランスとスイスの金貨と、数本の金塊が見つけられました。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
ローマ時代からルネッサンス期までの7,000枚のコイン
2021年1月半ばにハンガリーの考古学者は重大な発見をしました。すなわち、ハンガリーのペシュト県の野原において7,000枚の銀貨が発見されたのです。中には160年のローマのコインに加え、ハンガリーとヨーロッパの他国において鋳造された15世紀と16世紀初めのコインも含まれているので、財宝の構成は並外れたものとなっています。詳細は、CoinsWeeklyのウェブサイトにある英語の記事に掲載しています。
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大英博物館のPortable Antiquities Schemeの報告によると、2019年や2020年は、特にイギリスにおいて既に多くの発見がなされた年とされています。（英語の報告）