忘れ去られたD-Day:10あるいは12進法〔第4部〕

ヨーロッパでは古代から、1日を昼12時間・夜12時間に分けていた。ベブリンゲン(ドイツ)の街の教会の時計の文字盤。写真:ユルゲンG / CC BY-SA 3.0.
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あまり言われていないが、10進法が通貨、商業、金融に適用されるには、それなりの問題や制約があった。たとえば、「D-Day」以降、6シリングと8ペニー(£0/6/8)は、代わりに£0.33と表記されるようになった。6シリングと8ペニーの3倍(3×80=240)で1ポンドだったのが、0.33ポンドの取引が3回あると、合計0.99ポンドになった。このように、10進法では、0.01ポンドが計算されないことになるのである(私の兄がこれをよく指摘していた)。意義深いことに、10を2分の1、5分の1、10分の1に分割すると、それぞれ5、2、1の整数となるのに対し、12は2分の1、4分の1、3分の1、6分の1、12分の1に分割して、6、4、3、2、1の整数となる。数学者と商人を初めとしてほとんどすべての人にとって、3分の1と4分の1に分割できる12は「非常に役に立つ数字」となっているのである。実際には、その機能性は、今日でも私たちを取り囲み、意味を持っているのである。ヨーロッパ全土にある壮大なゴシック様式の大聖堂を訪れてみると、目に見えるもの、測れるもののほとんどに12の数字が関係しており、とくに3の数字は「信仰の神秘」としてキリスト教において重要視されている。

大聖堂の建築にあたって数字の12と4と3は不可欠である。写真:Edbwilco / CC BY-SA 4.0

本シリーズは、CoinsWeeklyに以前掲載された記事を日本人の読者様向けに修正したものです。英語の原文はこちらでご覧いただけます。

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