意外と簡単なオークション出品方法

コレクションを売るには、競売が最適な方法だとは必ずしも限りません。ぜひ、販売店の方に相談をしてみてください。写真:©︎SINCONA.
[bsa_pro_ad_space id=4]

お持ちのコレクションを現金に変えたいと思いませんか?ならば、売るしかありません。今日では、eBayやDelcampeというネット上の競売会社から近隣のコインディーラーでの現金販売まで、数え切れないほどの選択肢があります。勿論、王道なのは競売ですが、競売人(オークショニアー、競売の主催者)を選ぶ前にいくつか注意すべき点があります。この記事では、あなたにぴったりな競売人を見つけるための実践的なアドバイスをお伝えします。しかし、はっきりさせておかなければいけないことが一つあります。すなわち、どのケースでも利益を最大にしてくれる競売人は存在しないということです。あなたのケースに最も適した競売人だけが存在しているのです。

 

オークションのメリット・デメリット

オークションがどんどん開催される一方、販売店はその在庫を減らしつつあるのですが、その実態には理由があります。そして、その理由は販売店の方にあるとは言い難いです。中には大量の在庫の仕入れに必要になる膨大な費用、つまり支出を節約する販売店があるのも確かですが、それよりも、どうしても自分の金貨をオークションに出したい顧客が多いというのが主な理由です。それは、委託した商品から、オークションを通すことで最大限の利益が得られると信じているからです。

これは、決して間違いではありません。しかし、オークションに成功するにはいくつかの落とし穴を回避する必要があります。なぜなら、オークションとは、二人の収集家あるいはディーラーがー枚の金貨をいかに欲しがるかによってその値段が決まる賭け事であるからです。このため、多くのディーラーはオークション会場で、安く購入できる金貨を待ち侘びるのです。ディーラーは自分自身のオークションのための商品の大部分を(金貨も含めて)他のディーラーのオークションで仕入れています。そこでは普段、落札予想価格が極めて低く鑑定されるので、実際の価格よりも安く購入する可能性も売却する可能性も各オークションではあるのです。

そのため、直接ディーラーにフェアな価格で自身の金貨を売る方が合理的かもしれません。その場合は、オークションで売れなかったがゆえに送り返されてしまうこともありません。ディーラーが提示されたすべての金貨に対して総合的なオファーをした上でその場で支払ってくれるのに対して、オークションの場合は代金を受け取るのを長く待つことになります。一度計算してみてください。オークションの委託は遅くともオークションの2ヶ月前までに済ませなければなりません。その上、オークション会社によって多少異なりますが、代金が口座に入金するまでにオークション終了から30日から40日かかるのです。

そんなに長く待ちたくない方も多いでしょう。それに、逆効果もありえるのです。現代の金貨のコレクションをお持ちだと仮定しましょう。その場合は、金価格の短期的な高騰を利用して販売店で直接売却してしまう方が、四半期を待つことになるリスクを負うより遥かに合理的なのです。

つまり、自分自身にとってオークションが合理的なのかどうか、一度考えてみた方が良いでしょう。その際、以下の質問に答えてみてください。

  •  1:現金は本当に「今すぐ」必要なのか?
  •  2:購入の際にあなたが支払った価格が次の四半期で大幅に下落するリスクはあるのか?

もし現金が今すぐ必要でなく、金価格が安定しているのであれば、オークション会社へ行くのも良いでしょう!

 

ディーラーも稼がなければならない

ディーラーはコイン市場において重要な役割を果たしています。取引をシンプルにし、上手に編集されたカタログで、お持ちの金貨を買おうとする収集家の意欲を高めてくれるのです。しかし、そのためのディーラーの支出は高いです。例えば、会場、スタッフ、設備、豊富なライブラリー等にかかる費用があるのです。ディーラーは自身の仕事に対して熱心な人が多いですが、彼らも市場のルールに従い、最終的に少しでも利益を残さなければいけません。私がこれをはっきりと申し上げる理由は、多くの収集家がディーラーを敵視し、できるだけ稼がせたくないと考えているからです。

しかし、ディーラーが自身の商品で稼ぐ必要があるということは、当然のことです。オークションの場合は、それは売り上げの約30%に値するのが一般的であり、オークション手数料と買い手の支払う仲介料金から構成されています。これらでディーラーはそれらの支出をカバーするのです。即ち、カタログ作成や写真撮影、印刷、郵送、インターネット上のウェブサイト運用、広告やオークション会場の賃貸料、時にはオークション用の食事やコーヒー……。さらにオークション後の会計を忘れてはいけません。ディーラーは請求書の発行や商品の発送を担うのみならず、それぞれの買い手から代金を集める上で、商品が海外に郵送される場合は関税も払うのです……。つまり、ディーラーに支払う料金で、彼らは多くのサービスを担っているのです。

上記のすべての費用は、ディーラーに直接売る場合は生じません。ディーラーによって料金が異なってくるのも、これが原因です。ある特定の金貨をすぐ次の顧客に又売りできると確信を持っていれば、開催まで3ヶ月待つことになるオークションよりも多く払ってくれるでしょう。そのため、直接売却も視野に入れて、ディーラーと率直に相談してみることも良いでしょう。

手持ちの金貨は本当にオークションに出品する価値があるのか?

オークションカタログの作成とオークションの開催は高い費用を伴います。そのため、競売人がすべての金貨をオークションに受け取ってくれるとは限りません。写真:ドイツ・ハンブルクのMünz-Auktionshaus Emporiumの最新カタログの表紙絵

良い取引には、最終的に満足する二人の参加者が必ずいることにお気づきでしょう。二人とも良い結果を狙い、ディーラーの方はオークション手数料で、商品のオークションにかかったコストより多く稼ぎたがるのです。そこで、考えなければいけない質問が出てきます。

  • 3:手持ちの金貨の平均的な評価価値あるいは予想できる販売価格はいくらか?

勿論、詳細まで計算する必要はありませんが、お持ちの金貨のおおよその販売価格が六桁なのか、五桁なのか、それとも四桁なのか、事前に見積もっても損はないでしょう。

なぜなら、それぞれのディーラーが、オークションに受け取る金貨の最低金額を設定しているからです。その最低金額は、ディーラーが稼げるように合理的に計算されています。そのため、どのディーラーに問い合わせるべきかを知るために、お持ちのコレクションの予想販売価値をだいたい見積もった方が良いでしょう。

 

異なる得意分野を持つ競売人

委託における最重要なステップ、それは、お持ちの金貨を託す競売人を入念に選び出すことです。なぜなら、「見当外れの」競売人にお持ちのコレクションを委託してしまうと、そのオークション会社のオークション手数料がいかに高いか(又はいかに安いか)にかかわらず高額の損失を被る可能性があるからです。

インターネットは硬貨の取引にとってますます重要になってきています。写真:ドイツ・エスペナウ町のFirma Möllerの最新競売のウェブサイトのスクリーンショット。

素晴らしい例を一つ挙げておきましょう。2011年、ある老婦人は、夫の死後に大きな家から小さなマンションへ引っ越しました。その際、要らなくなった絵画や家具、絨毯等を、普段から遺産の販売に特化していた地元のオークション会社に委託しました。彼女の息子は小型トラックを使って委託するすべてのものを家からオークション会場まで運び、オークション後に委託をした老婦人は結果に満足しました。特に一枚の絨毯の販売価格が予想を遥かに上回りました。たった900ユーロ(約11万円)と見積もられていたその地味な絨毯はなんと、オークション中に19.000ユーロ(約245万円)まで高騰し売られたのです!!!

しかし、バイエルン放送というラジオでたまたま、その絨毯がさらに半年後のオークション(今回はChristies社の特別オークション)に改めて出された時に付いた販売価格を聞いた瞬間、老婦人の喜びは一転してしまいました。その絨毯は750万ユーロ(約9億6800万円)で売られたことで、世界で最も高価な絨毯の記録を更新したのです。

憤慨した老婦人は損害賠償金を求めて裁判を起こしました。しかし、自分の行動を反省した方が良かったでしょう。なぜなら、自分の商品の価値を知らずにオークション会社に行ってしまったという委託販売の最大の過ちを犯してしまったからです。裁判所も同意見でした。彼女の損害賠償請求は、「特化している分野を持たない地元のオークション会社に過剰な要求をしてはいけない」という理由で棄却されることになりました。

つまり、オークションへの委託はお持ちのコレクションの商品がいかに希少価値があるのかを自分で調べるという委託する側の義務を免除するものではありません。

コイン業界において一年で最も盛り上がりを見せるイベントの一つ、Künkerのベルリン・オークション 写真:©︎Künker

 

ハイエンド・コインとハイエンド・オークション

理想的なケースを想定してみましょう。50年前、ご自身のお祖父様が最高品質のターラーを収集し、それらを当時最も有名だったオークション会社から購入したとします。請求書もフォルダにきちんとファイルされています。これは、すべての競売人が夢に見るような委託ですので、今ご自身はトップクラスのフロアオークションの中から自由に選んで出品できる立場となります。

このようなデラックス・フロアオークションは、印刷されたカラーイラストと包括的な解説が掲載されたカタログがあることが特徴です。一流ホテルで、多くの場合はコイン業界のイベントとも関連して開催されます。

一月にベルリンでワールド・マネー・フェアが開催されている間に行われるKünkerオークションは、デラックス・フロアオークションの良い一例でしょう。古代の品々を専門分野とするオークションにおいては、New York Internationalと関連しているイベントがあります。例えば、New York Sale、Tritonオークション、Heritageオークションとその他の多くです。希少性が高く、且つ保全状態の優れているアジアのコインの場合は、香港国際貨幣展覧会の一環として行われるStack’s Bowers Galleriesのオークションがおすすめです。

このようなハイエンド・オークションでこそ、後にメディアによって記録更新として報道されるような高い価格が得られるのです。そこでは、大して珍しくなくても保全状態が優れている貨幣の価値が、信じられないほど高騰することがあります。

本当に上記の夢のようなコレクションをお持ちの方は、是非これらのオークションに参加してみてください。しかし、正直なところ、未だ売られていないターラーのコレクションを遺産に残してくれたおじい様をお持ちの方はなかなかいないでしょう。

競売人の得意分野を必ず確認すること

もし販売価格が数万円から数十万円のコインがあれば、誰もが喜ぶでしょう。特にその場合は、ある分野に特化して、専門機関として定着しているオークション会社に問い合わせるのが重要です。

スイスの例を取り上げましょう。SINCONA社の所有者であるユルク・リヒター氏は、国際的に優れたネットワークを持つコインディーラーであるだけでなく、自身の余暇時間に仕事仲間のリューディー・クンツマン氏とともにスイス・コインの基本図書を執筆した上で、スイス紙幣や、スイス射撃祭ターラー、そしてスイス・プローベン硬貨や数多くの他のカタログを作成しました……。スイスのコインやメダル、そして紙幣等の収集家は勿論、半年ごとに発行されるこれらのカタログの新版を待ち望んでいます。

他の例としては、ウィーンのAuktionshaus Rauchが挙げられます。そこではハプスブルク家の優れたコインをよく買うことができます。そしてLeipziger Münzhandlungは、当然のことながらザクセン地方のコインに特化しています。

Teutoburger Münzauktionの方は、上述のオークションとは多少違います。長年、地元のコインではなく、アジアのコインに特化し、その希少性をしっかりと認識しているのです。そのため、アジアのコインをお持ちの場合は、ご自宅から遠くても、Teutoburger Münzauktionの所在地であるボルクホルツハウゼン市に出かけると良いでしょう。

上記はほんの一例に過ぎません。自分自身の特有の専門分野を持たないコインディーラー/競売人は、私は一人も知りません。そのため、特殊な地域のコインを売りたいとお考えの場合は、まずはその地域に詳しい人に、そしてもしその地域のコインに関して書籍を出版した人がいればその人に相談することをおすすめします。その人こそが、お持ちのコインを最も高い金額で買ってくれるでしょう。

 

切手とコイン両方の場合

コインだけでなく、切手も収集している人は、両方のオークションを同時に実施するオークション会社に行くことを考えてみても良いかもしれません。ボンのAuktionshaus Dr. Reinhard Fischerやビーティッヒハイム=ビッシンゲンのChristoph Gärtnerがおすすめです。

 

手持ちのコインの価値が大したものでない場合

オークション会社は、オークションに出す商品を自由に選出することができ、利益にならないものは受け取らないでしょう。専門家がお持ちのコインを欲しがらないのであれば、インターネット上のオークションなど他の方法を考えてみても良いかもしれません。インターネット上のオークションは現在、既に定着しているオークション会社のみならず、非常に活発的な新しいコインショップにも提供されているのです。

インターネット上のオークションのメリットは、オークションカタログの印刷と高コストのオークション会場が不要ということであり、競売人の費用もそのおかげで通常のオークションほどは生じません。つまり、価値の低いコインも受け取ることができるのです。また、近年ではインターネット上のオークションでコインを購入する買い手が国際的に増えています。言い換えれば、インターネット上のオークションで得られる結果は相当のものになりうるのです。インターネット上のオークションはこのように、賢明な選択肢であると同時に、もう一つのメリットもあります。

それは、伝統的なフロアオークションはずっと前から計画されるがゆえに半年に一度しか開催されない一方で、インターネット上のオークションは多くの企業によって毎月実施されるのです。中には、隔週開催する企業もあります。そのため、オークションのメリットを確保しながら、より早く代金を手に入れることができるのです。

 

個別売却か一括売却か

こちらではもう一つの方法をご紹介します。あるコレクションの平均価値が低すぎるがゆえに商品を個別に出品できない場合は、それらの商品をセットとして出品して「一括売却」することがよくあります。つまり、当該コレクションの全てのコインはセットとして説明が掲載され、時にはその中から個々のコインが撮影されますが、全てのコインがセットとして見積もられ、セットとして競り落とされるのです。

これにはメリットもデメリットもあります。一枚の面白いコインがあれば、他のコインも同時に売ることが可能です。しかし、プライベートの収集家(=最終的な買い手)がセットに興味を持つのは稀です。ほとんどの場合は、商品を転売して利益を得るためにいくら払えるかを正確に計算するのは、ディーラーの方なのです。

基本的に一括売却とは、自分のコレクションを直接販売した場合にどれだけの金額を払ってくれるか確認するためのディーラー間のオークションなのです。そのようなオークションでは、多くのディーラーがお持ちの商品セットを見て、互いに競り落とします。しかしながら、直接販売の場合とは異なり、お持ちの商品を買い取ってもらえるだけでなく、ディーラーも自分の追加料金を含めて計算しなければいけないがゆえに、この場合は、売却する側は手数料の全額を払わなければならないことになります。そのために販売価格の全額をもらえるわけではありません。すべての料金を合わせますと、全額の約30%になります。それより販売店を渡り歩いて商品を個別に売った方が良いかどうかは、自分自身で決めなければいけません。

 

広告

コインを委託販売する前に、確認した方が良いことが二つあります。即ち、委託した商品がどこで売りに出されるか、そしてどのようにしてその宣伝がされるかということです。委託しようとするオークション会社では、そのオークションが収集家たちの注目を浴びるのか。オークション前にはきちんとした報告が出されのか。どのような広告が出され、SixbidやNumisSearch等といった最も重要なウェブサイトにオークションは掲載されるのか。

ここまでは良いのですが、お持ちのコインは具体的にどのように宣伝されるのでしょうか。ある重要なコインを中小規模のオークション会社に委託して、そのコインがオークション前の全ての報告に掲載される方が、同じコインをハイエンド・オークションに出して、他の商品の中で紛れてしまうよりずっと有意義かもしれません。いずれにしても、事前にオークション会社に相談し、お持ちのコレクションがどのように宣伝されるのかを具体的に聞いておきましょう。

 

ここまで習ったことをまとめてみますと……

競売人(何人かの競売人だと尚良い)を選ぶ前に自問自答しておく質問は以下の3問になります。

  • 4.) 私の硬貨はハイエンド競売、通常の会場競売、ネット上の競売のどれに委託すべきか。
  • 5.) 持っている硬貨の分野を専門としているのは誰か。
  • 6.) あなたの硬貨をできるだけ多くの人が見てくれるように広告してくれるのは誰か。

それでは、いよいよ交渉に入ります。

 

どこで交渉すればいいのか?

基本的にほとんどの人はそのコインを、自分で選んだ競売人に持っていくでしょう。これは拘束力がないので、最初の価格の鑑定をしてもらった後に、ご自宅に持ち帰ることができます。

もちろん代替手段もあり、大成功を収めることの多いいわゆる「鑑定日」を開催するオークション会社が増えてきています。その際、専門家チームが主要都市を巡回し、中心部に位置しているホテルで顧客のコレクションを見てくれます。これは大きなチャンスです。しかし、最終的にコレクションを委託する前に、ゆっくり考えてみてください。迫られたとしてもすぐの決断を控え、そのオークション会社がお持ちのコレクションにとって最良なのかを熟考してください。

ちなみに、大きなコレクションをお持ちのことを競売人が知っていれば、競売人が直接ご自宅を訪問し、そちらで見てくれるでしょう。しかし、繰り返しになりますが、コインを見てもらった後に考える時間が欲しくても、それに対して怒るコインディーラーはいないのです。

 

契約

署名済みの契約書と委託証明書なしでは絶対にコインを渡さないようにしてください。そしてすべての質問や疑問を委託の前に明確にするために、可能な場合は契約書を事前に送ってもらうのがベストです。ちなみに、たとえきれいに印刷されていたとしても、契約は変えられないものではありません。もしお持ちのコインの品質が良いゆえに交渉において良い立場にあるなら、契約の変更等について話し合ってみても良いかもしれません。

他に注意した方が良い点は、出品料の有無です。家具や美術品の分野では、一部のオークション会社は出品料を徴収しているのですが、コインの取引では出品料があるのはかなり珍しいです。そのため、委託したいオークション会社にコインを出品する際に出品料があるかどうかを確認するようにしましょう。

次に、手数料をよく見ましょう。もしお持ちのコインの販売価格が当該オークション会社の普段の平均的販売価格と同じくらいならば、交渉の余地はあまりありません。しかし、例えば上述の物語のようなターラーのコレクションであれば、どの競売人でも魅力的なオファーをしてくれるでしょう。そのため、少なくとも二社の競売人とお話して、オファーを比較することが大切です。

重要なのは、鑑定に納得できない場合にどうするのか、事前に明確にしておくことです。ほとんどの契約書には、商品を撤回したり、最低落札価格(販売価格の最低金額)を設定したりした場合に支払わなければならない金額に関する詳細な条項があります。この点については後述しますが、委託者と競売人の間の摩擦の大半はここで発生しますので、忘れないようにしておきましょう。

ここから得られた重要なことをまとめてみますと以下の通りです。

  • 7.) 決して自分にプレッシャーをかけてはいけない。
  • 8.) 競売の前に、契約書にしっかり目を通していく。
  • 9.) 必ずしも成功するとは限らないが、契約書に関する交渉はしても良い。

委託

かつては、契約書や引き渡し証明書が不要だった時代もありました。私は、50万スイスフランの価値のあるコインを私に委託して、引き渡し証明書を書き終えるのを待ってくれなかった収集家たちのことを覚えています。それはそれで良かったですし、大きな信頼の証でもありますが、保険上の理由でだけでも、引き渡し証明書なしで委託を済ませるのを絶対に避けた方が良いです。上記の例で仮に私が事故に遭い、引き渡し証明書を発行せずに第三者にコインを盗まれ、さらに私が亡くなったとしましょう。その場合は私にそのコレクションを渡した収集家はそれを証明することができず、大きな被害を受けることになっていたでしょう。

そのため、競売人が署名する引き渡し証明書を作成することをおすすめします。証拠写真は説明と同じ価値があるので、大量のコインをご委託の場合は、写真も便利です。しかし、コインを引き受けてくれた人の署名がなくてはいけません。

そのため、次のことを忘れないようにしましょう:

  • 10.) コインを手放すのは、絶対に署名済みの契約書と引き渡し証明書を渡されてからにするべきである。

その際、落札予想価格付きの委託品リストが義務として必ずいつまでに届くかを聞いておいてください。そして、約束の時間になっても届かない場合は、リストを渡されるまで連絡し続けてください。多くのオークション会社は大きなプレッシャーの中で仕事をしており、委託品リストをギリギリのタイミングで送っています。しかし、そうすることによってそのプレッシャーを顧客に回してしまいます。それに、その時点ではオークションカタログが既に印刷されていることが多く、個別の鑑定について交渉するにはもう遅いのです!

そのため、以下のことを覚えていてください:

  • 11.) 引き渡しの際に、最終的な評価価値付きの委託品リストがいつまでに届くのかを確認する。
  • 12.) 委託品リストを受け取り次第、その内容を確認する。

 

鑑定

上記の委託品リストはほとんどの収集家に衝撃を与えます。なぜなら、自分自身のコインを購入した際にいくら払ったか覚えているからです。しかし、過去数十年の間に、コインをその価値に基づいて鑑定するのではなく、オークション会社によっては実際の価値の半分から3分の1で鑑定するのが通例として定着しました。

これには、一見して(特に購入時の価格を覚えていればなおさら)理解しづらいかもしれませんが、意味があるのです。オークション会社は、そのような低い落札予想価格で、コインが売れ残りになることを防ごうとしているのです。そして、いざという時に競売人が自分でもそれらのコインを購入できるように、落札予想価格は敢えて低く計算されているのです。

しかし、収集家にもメリットがあるのです。それは、オークションの心理学にあります。というのも、競り手は素晴らしい商品を安く手に入れることができるのは、嬉しすぎることだからです。その場の勢いに任せて、あまりにも高額な入札をするのです。これは、二つのことを意味しています。すなわち、委託者がより多くの代金を得ることです。しかし、それと同時に、もし入札競争が起きなかった場合は、委託したコインがその価値よりも安く販売されるリスクが高まってしまうことです。

そのため、ある鑑定があまりにもショックすぎる場合は、最低落札価格を設けることがおすすめです。しかしそれは、契約書で合意された場合のみ、さらに契約書に書かれている手数料でのみできるのです。

もし競売人との合意が全く得られない場合は、出品を取り下げるしかないでしょう。ただし、これも契約書に規定されており、通常はかなり高コストを伴います。

 

それでは、いよいよオークション前の緊張が始まります。コインが売られる際に自分で立ち会うべきでしょうか。そうするには、かなり図太い神経が必要です。なぜなら、高額がかかっているからです。一方で、自分が長年大切にしてきたコインをゲットできるように収集家同士が競り合う風景を見ること、それに勝る喜びはありません。

 

もしそうなれば、万事めでたしめでたしと喜んで良いでしょう!