金を購入する前に知っておきたい「合理的な金投資の十戒」

以下でご紹介する十戒に従えば、安全に金を購入することができます。
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金は危機に強いと考えられ、新型コロナウイルス発生前から絶大な人気があった投資方法です。とはいえ、何も知らずに金を購入すると、多くのミスを犯してしまう可能性があります。そこで、この記事では合理的な金投資の十戒をご紹介します。

以下でご紹介する十戒に従えば、安全に金を購入することができます。

第一の戒め:金をその価値より安く買えると思ってはいけません!

世の中には余りにもお得すぎるオファーがあります。にもかかわらず、そのようなオファーにひっかかる人々がいます。そのため、哀れなお婆さんや、悲しげな見知らぬ人、途方に暮れる美女が現れ、あなたに「今すぐ現金が必要だけどこの金をどこで売れば良いのかわからない」と語りかけてきたら、注意が必要です。現在は、素人が本物だと簡単に思い込んでしまうほど完璧に近い偽造の金貨があるのです。そのため…

第二の戒め:信頼のできる売り手から購入するようにしましょう!

信頼できる売り手か否かは、自分で判断しなくてはいけません。もちろん、中立な専門誌の評価や協会へ加盟しているかなど、参考になる指標はあります。例えば、その会社や店舗の創業年数の長さでその堅実さがわかります。当然、ネット上でもきちんとした売り手は存在しますが、彼らの主張していることが信用に値するかどうか確かめた方が良いでしょう。何よりも、クレームをつける問い合わせ先がない売り手からは購入しないようにしてください。

第三の戒め:欲しい金貨が地金型金貨なのか、収集型金貨なのかをはっきり区別しましょう!

地金型金貨(Bullion coin)と収集型金貨(Collector coin)の間には根本的な相違があります。地金型金貨は需要がある限り大量に鋳造される一方、収集型金貨は事前に定められた数だけが最先端且つ精巧な技術を以て鋳造されるのです。

収集型金貨は、その名の通り集めるためのものであって、投資するためのものではありません。収集品の価値も当然上がり得ますが、硬貨市場についてまだあまり詳しくない方は大きな損失を被ることになるかもしれません。それは、鋳造の際に使われる技術の複雑さがゆえに、収集型金貨はそれらの原料に相当する価値より遥かに(!)高く売られているからなのです。つまり、あなたからそれを購入してくれる収集家が見つからなければ、かなりの金額を失うでしょう。(それに、現代の収集型金貨の市場は非常に小さいのです。)そのため、収集型金貨はその価値が上がってほしいと望むのではなく、それを集める目的でのみ購入することをおすすめします。しかし、あなたの財産を金に投資したいとお考えの場合は、地金型金貨を購入するようしましょう。

 

第四の戒め:地金型金貨の保存状態が重要だと思わせようとする者を信じてはいけません!

近年では、地金型金貨と収集型金貨を混同させる傾向にあります。そのため、一部の造幣局は、高いプレミアム価格でプルーフの地金型金貨を販売するようになりました。

米国では一部のコインディーラーが大量の地金型金貨を鑑定機関に送っています。そのような鑑定機関は、硬貨の鋳造の質を評価するにすぎません。地金型金貨は大量生産品であり収集型金貨の高い技術基準を満たさずに鋳造されるので、かなりの差異があります。金貨を鑑定機関に委託するディーラーはこの現象を利用し、標準的な保存状態の地金型金貨を通常の価格で販売している一方、保存状態の良い地金方金貨を高額のプレミアム価格付きで販売しているのです。彼らは、「このような素晴らしい品質のものは数少ないので、これは収集型金貨なのだ」と主張しプレミアム価格を正当化しようとしています。

これはナンセンスです。地金型金貨は地金型金貨であり大量に鋳造されるので、仮にその保存状態が完璧な状態にあっても関係がないのです。このような金貨に手を出さず、第三の戒めを思い出してください:地金型金貨が欲しければ…

 

第五の戒め:購入する金貨の金価格を計算しましょう!

上記のような怪しげなオファーに騙されないための最も簡単な方法は、金貨の1オンスあたりの実際の金価格を計算することです。1オンスの重さの典型的な地金型金貨の場合、鋳造のための追加料金は数パーセントです。当然ながら、1オンスの金貨を一枚購入するのではなく、10分の1オンスの金貨を10枚購入する場合、鋳造費用で金価格が高くなるのです。

基本的には、枚数が多ければ多いほど、金価格が高くなると言えます。

収集型金貨の方はかなり違う追加料金で取引されることは、上記で既にご説明しました。

 

第六の戒め:自身の資産において金貨の占める割合をどの程度にしたいかを事前に考えましょう!

今日、財産の多様化は過去に例がないほど重要になってきています。なぜなら、一方的な投資は計り知れないほどのリスクを伴うからです。インフレ率(+管理費)が我々の預金口座の価値を下げていることが周知の事実であるにもかかわらず、多くの人は預金口座を好んでいます。その理由は、面倒が少ない反面、金額の数値が徐々に伸びているように見えるからなのかもしれません。しかし、その伸びつつあるように見える金額で実際に買えるものは、少なくなってきています。

だからこそ、私たちはより多くを有形資産に投資すべきなのです。これらの資産には株や不動産、そしてもちろん金も含まれます。そしてここでは、需要と供給で価格が決まるという原則が適用されます。市場に多くのマネーが出回れば、有形資産の価格が上昇するので、インフレ率の観点から有利です。一方、安全性の面では、需要が減れば価格も下がるというデメリットもあるのです。

したがって、全ての財産を有形資産に投資することは意味がありません。しかし、一部を金に投資することには確かに意味があります。バランスが大切なのです。即ち、金価格が大幅に下落しても困らず、インフレで貯蓄が消えてしまっても再出発できる程度にしてください。

その具体的な割合は、投資家ご自身で判断する必要があります。

 

第七の戒め:購入する時も売却する時も完璧な瞬間を待っていてはいけません!

世界中の成功している投資家に話を聞くと、みなは完璧な瞬間を待つのではなく、トレンドを把握することを通して富を築いたと言うでしょう。金の最高価格を待っていては、良いチャンスは必ず逃してしまいます。したがって、長期的なトレンドに集中し、良さそうな時期に売買を行うべきなのです。

 

第八の戒め:金貨を安全な場所に保管するようにしましょう!

金貨を保有していると、泥棒や詐欺師、そして政策が根本的に変わった場合は国家に対しても弱点を持つことになります。そのため、金貨をどこに保管するかを慎重に考えなければなりません。もちろん、最も安全なのは銀行の貸金庫です。しかし、それらは政府の介入を特に受けやすいです。1933年に米国が金貨保有禁止を導入した際、まずはすべての銀行に顧客の貸金庫を国家役人の立会いの下のみで開ける義務をつけて、中に入っていた金を一方的なレートで強制的に徴収したのです。

金貨を自宅に保管するリスクを避けたい場合は、貸金庫を提供している民間企業を検討してみても良いかもしれません。

 

第九の戒め:他の選択肢も視野に入れてください。ただし、十分に理解していないものを買ってはいけません!

今日では、実物の金を手元に置かなくても金に基づいた投資方法が多くあり、それぞれに慎重に検討すべきメリットとデメリットがあります。ここでは、実物の金に投資せずに金価格の上昇から利益を得るための、代替として重要な選択肢を簡潔に挙げておきます。

  • 純金積立とは、投資家が毎月、ある提供者から金の保有権を部分的に購入して、提供者に保管をしてもらう制度です。
  • 金券とは、買い手が金価格の動向に賭けるもので、発行者が債務者である債券です。
  • ETC(Exchange Traded Commodities、コモディティ上場投資信託)は金券と似ていますが、時間制限がない上で証券取引所での取引が可能です。
  • 金鉱山や金精錬所の上場株式・金に特化した株式ファンド

以上の金投資の方法に興味がある場合は、それぞれのメリットとデメリットについて詳細を調べてください。また、投資方法を十分理解できていないがゆえに隠れた費用やリスクを把握できていないものは買わないようにしてください。

 

第十の戒め:常識を忘れてはいけません!

最後たる第十の戒めは最も重要な原則であるにもかかわらず、惜しくも自身の貪欲さによってよく破られてしまう原則です。即ち、懐疑的な態度を忘れずに常識的な判断をしてください。良さそうなチャンスに流されずに冷静にメリットとデメリット、そしてリスクを判断さえすれば、金投資に取り掛かっても恐れることがないでしょう。